河竹会ブログ

人生を支える「術」

昨日の中3の国語の授業で扱った問題です。

(  )に後の語群から適語を選んで入れる問題です。

① 新しい洋服を買ってきた父は、 姉にセンスがないと言われて(     )をしていた。

② 授業中、 ついきのうのテレビ番組のことを考えて、 (     )をしてしまった。

③ みんなの前で転んでしまったが、 ぼくは(     )でごまかした。

④ 居間でテレビを見ている兄の(      )が、 僕の部屋まで聞こえてきた。

<語群>

ア てれ笑い        イ うす笑い        ウ 泣き笑い        エ 高笑い

オ あいそ笑い       カ 苦笑い         キ 思い出し笑い      ク もの笑い

 

正解は、 ① カ  ② キ  ③ ア  ④ エ

 

この問題を 中学3年生に解いてもらいました。 まあ 概ね できていました。 それほど難しくもないと 大人の常識では思います。 しかし 中には 4問中3問 間違えた生徒さんがいました。

それ以外にも間違いがちょこちょこ見られました。

ボキャブラリーとしては、 こんなものかもしれません。

国語の読み取る力は、 文章のレベルまで行かないところで 問題があることが多々あります。

いわゆる語彙力の中でも この問題のように「笑い」に関する表現や慣用表現、 ことわざの意味など 知識レベルで十分でない場合が、 多く見られます。

以前 公立高校の入試問題で出題された問題です。

文章中に 「筆まめ」という表現がありました。 頻繁に手紙を書く人という意味で使われていました。 問題は、「筆まめ」の反対語を書きなさいという問題でした。

正解は、 「筆不精」 。 正答率が低かった問題です。

語彙力は、 普段の会話の内容が乏しいから身につかないのか? 語彙力がないから 普段の会話が希薄になるのか?

鶏か?卵か?の論争になりそうですが、 現実問題として 言葉の力が不足している生徒さんが、 かなりいます。

本来なら 生活の中の会話として知っていてほしいことや 読書から得てほしい知識だったりすることを、 受験という目標のために ただ 詰め込んでいかないといけない現実に なにか 社会そのものが持つ問題点を 感じます。

言葉を知らなかったり、 表現のすべを知らないことは、 将来自分の考えを伝える時に とても不自由な思いをすると思います。

受験のためというより、 豊かな人生をおくるために 日本語をしっかり話せて 理解できて 表現できるような人になってほしいと思います。

もちろん 私は受験指導をしているわけですから、 合格できるように 生徒の皆さんを導いていくのが お仕事です。 でも もっと違った視点をもって、 将来役に立てることを身につけさせてあげたいという願いを込めて いっしょに勉強しているつもりです。

言葉一つ、 単語一つ、 勉強する意味は なんであるか? こんなことは、 生徒の皆さんは考えないと思います。 でも教えるものの覚悟や意図で、 学ぶ広がりが出てくると思います。

大げさかもしれませんが、 人生を支える「術」を身につけてもらえるように 指導したいと思います。

 

コメントを残す