私の両親は、 島原半島の出身です。 ですから島原半島の郷土色は、 我が家の食卓にも登場します。
お正月は、 具雑煮という 具がたくさん入ったお雑煮です。 白菜・にんじん・ごぼう・大根・さといも・高野豆腐・焼き豆腐・かまぼこ等を入れます。
(この具雑煮は、 先日島原に行った時の具雑煮です)
しかもにんじんやごぼうは「千切り」で入れるので、 準備が大変なお雑煮です。
家庭によっては、 鶏肉・あなごなども入れます。
この季節のご馳走は、 実は「ふぐ」です。 ふぐと言えば、 冬の味覚と思われている方も多いと思いますが、 島原半島の有明海には、 ふぐは5月ごろ回遊してきます。
もちろん 本物のとらふぐです。
私のおじは、 ふぐ調理免許を持っている調理師なので、 しっかり処理を済ましたふぐを持ってきてくれます。
ふぐと言えば、 お造りでしょうが、 我が家ではなんといっても「がねだき」が最高のごちそうです。
(炊きたて直後)
フグの身は、 湯引きやお造りににして その残りの「あら」を「がねだき」で使います。
(湯引きの身もふぐは、 びゅーてぃです)
「がねだき」は、 ふぐのあらと竹の子、 にんにくのくき、 梅干、 タカのツメ(唐辛子)を酒・みりん・しょうゆで炊きます。
ふぐだけ最初に乾煎りして出た水分を捨ててから調味するのが、 コツだそうです。
我が家は、 にんにくの茎が手に入らないときは、 ねぎで代用します。
今日もねぎで作っています。
にんにくにしろ梅干にしろ 毒消し作用と「ふぐ」を合わせるところがポイントのようです
ふぐは島原地方では、 「がんば」と呼ばれます。
私が小さい頃、 「棺(かん)ば 用意して 食べんばいかんほど おいしい~」という話をよく聞きました。
棺(かん)ば・・・からきている「がんば」だと思います
棺(かん)とは、 棺おけのことです。 ふぐの毒にあたって死んでもいいほど 美味しい~という意味なのでしょう。
さすがに ふぐでは死にたくありませんが、 おもしろい話です。
その地方 地方で 郷土色豊かな文化があります。
私の祖母も よく「がねだき」は、 作っていました。 ふぐの味がしみた竹の子は、 深い味わいがして子供ながら美味しいと思いました。
昨日は、 母が「がねだき」を作ってくれました。
祖母の味と変わらない味でした。 私は 作れるかな~なんて 思いながら、 母の傍らで見ていました
自分と縁のある場所や家庭の味は、 大事にしたいものです
今、島原に単身赴任中です。
ここで、出会った「がねだき」美味しいですね。
インターネットで「がねだき」を検索していて訪問しました。
島原の「がんば」料理は上手くて、酒も進みます・・・。