昨夜 遅くあるテレビ番組に はまってみてしまいました
NHK教育テレビで 辻井信行氏のヴァンクライバーン国際ピアノコンクールで優勝するまでの軌跡を追った番組が昨夜 遅くオンエアされていました。
全く私は 氏のことはニュースで全盲のピアニストが国際コンクールで優勝したぐらいしか聞いていなかったので、知りませんでした
コンクール自体が 20日にわたる長いコンクールで 何曲も演奏しないといけない負荷がかなり高いコンクールだということも 昨日の番組で 知ったほど、 ほとんど知識はゼロでした。
番組の中で あらゆることが 感動の連続でした。
ピアノコンクールと聞くと、 ピアノが上手な人というイメージですが、 ヴァンクライバーン国際ピアノコンクールは、テクニックもさることながら人格まで問われる長期のコンクールです。
ストレス状態が20日間も続くのですから、 異常なほどのストレスです
しかし辻井氏は、 いつもにこやかで「のぶ君」と周囲の人から呼ばれるほど いつも穏やかで 態度が変わらない人柄に思えました。
全盲で優勝なんて聞くと、 ちょっと華々しくて メイクドラマに感じられますが、 この番組はそうした恣意的なものが感じられずに コンクールを追っていくドキュメントでした。
普通は 全盲というハンディキャップを乗り越えて、 優勝を勝ち得るまで、 ものすごい練習や努力をしたのだろう?と誰でも思うものです。
しかし 彼は 「練習は好きで楽しいから~」とあっけらかんとにこやかに言います。
コンクールの要素として弦楽奏やオーケストラとの演奏が課せられます。
「見えない」ことで 弦楽奏の楽員や指揮者は、 アイコンタクトをとれないと思って 戸惑いが生まれます。
しかし 辻井氏は、 卓越した聴力でその困難も乗り越えていきます。
指揮者は、 「何拍置いて引き始めるのか?」と辻井氏に聞きます。
すると 辻井氏のマネージャーが、 「辻井氏は、指揮者の呼吸を聞き取って合わせるから大丈夫だ!」と言うのです。
最初は 指揮者も「?」と思うのですが、 実際に指揮者の呼吸を辻井氏が聞き取って合わせると ピッタりなのです。
彼の聴力は、 相当なハイレベルだと 指揮者は言っていました。
もともと 備わっていたものか? 「見えないこと」で開発された能力なのか? それは わかりませんが、 能力以上にその集中力に 私は驚きました。
そして 楽譜は 見えませんので、 彼が曲を覚える時は、 先生が何回も 隣で演奏してあげて それを彼が演奏するということを 何回も繰り返すのです。
先生も 根気がいります。 でも ひたすら 弾いて 彼をサポートするのです。
頭が下がるなんてものでは ありません。
彼の努力や能力もですが、 サポートする力も 並大抵ではないことを 感じました。
優勝した瞬間の映像には、 胸が詰まりました。
お母様の号泣が 深い喜びと感動と忍耐と全ての感情を表している涙に感じました。
最後に辻井氏は、 周りに感謝する言葉を述べていました。
でも きっと 周囲の方は 逆に こんな素晴らしい感動をありがとう~と思っていらっしゃるだろうな~と思いながら その言葉を聞いていました。
よい番組でした
連休中に なんだか心がポッと温かくなる思いがしました。
私も 根気よくサポートできる先生でありたいものです
自分の日ごろの姿を 振り返って 反省することばかりですが、 神様がちょっと反省しなさいと見せてくれたのかもしれません。
今朝は、 なんとなく お天気のように晴れ晴れとした気分でした
河竹会ブログ